区分所有法改正の続き

前回、区分所有法が改正されるお話をしましたが、5月23日に参議院本会議で可決成立をしました。

内容は、マンションの管理組合が建物の「取り壊し」や「売却」、「リノベーション」を行う際の決議について、これまで必要だった「全員の同意」を緩和し、「5分の4の賛成」でも可能とするです。

考えたら当たり前ですよね。建て替えよりリノベーションの方が決議のレベルが高いのはおかしい話ですからね。

建物の更新がやりやすくなった! 

では、これで築年数の経過したマンションが建替えの選択が難しい場合でも、大規模なリフォームとして再生ができる様になるのか?

これがなかなか、簡単にはいかないのです。

建物の更新とは?

まず、建物の更新って何をすることでしょう?

建物の更新の定義は3つに分けられます。

1,建物の構造上主要な部分の効用の維持又は回復(通常有すべき効用の確保を含む)のために共用部分の形状の変更する工事である。

2,全ての専有部分の形状、面積又は位置関係の変更をする工事

3,1と2を両方行う 2の工事は1の工事に伴って行う工事であること

詳しい説明は省きますが(知りたい方は連絡ください(笑))

ようするに、建物の更新は躯体を残したままの建替えを行うイメージです。

通常、マンション建替えを行う場合は管理組合は解散となり、マンション建替え組合が設立されて完成後に新たな管理組合ができるという流れになります。

では、建物の更新の場合はどうなるのか?建物は残るが、所有が変わるのでマンション再生組合できるといった、結局建替えと同じスキームになるのです。

この管理組合が解散してしまう所が大きな問題となります。

マンションに住んでいる方で修繕工事で銀行や公庫などから融資を受けた経験がある方がいると思います。

ところが、管理組合が新しくなる場合には、建替え費用をそれぞれ所有者が用意しなくてはいけなくなるのです。

この部分はすごい重要です!

もともと古いマンションの建替えが困難なのは資金調達と合意形成の2点のハードルが高かいためですが、結局、建物の更新も同じ困難性が発生してしまい、制度が整備されても建替えが進まないのと同じ状況になるのです。

しかし、現行の管理組合が存続して建物更新ができるならば、支援機構からの借入など資金調達を管理組合で行う事ができるのです。

マンション再生は今まで個人での資金準備が必要であったところが管理組合で資金を準備することができれば・・・

マンション再生が変わってくると思いませんか? 

これから、このマンション再生のスキームについてを学んでいきます。

まとめ

私の主幹事業は相続コンサルですが、今後、自分は住むことのない親が所有する分譲マンションを相続するし、住まないので、どの様にしていくかを悩まれる方が増えてくると思います。

そんな方にも良い提案をしていくため、相続での問題とマンション自体の問題を理解して良い相続をしてもらえるように、私ももっと学んでいきたいと思います!

この記事を書いた人

村上 寛紀

村上 寛紀

1997年4月にスターツ株式会社に入社。
約10年間資産家の土地有効活用事業提案営業に従事。
その後、愛知県に異動し豊田市にて土地活用事業の立上げ業務を行う。2023年株式会社Prop-upを設立、代表取締役に就任。不動産相続コンサルタントとして、不動産を保有する方の相続対策のサポートを手掛けている。