はじめに

私は団塊ジュニア世代です。

子供の頃は近所に3世代で住んでいる家が多くありました。

私も父方の祖母と一緒に住んでおり、両親が働いていたので小さい頃のおばあちゃんとの思い出がたくさんあります。

今は両親が住んでいる実家に帰ると、小さい頃の思い出が沢山詰まっていて、子供の頃の記憶を呼び起こしてくれる大事な大切な場所です。

皆さんも実家と呼ぶ家があると思います。

今でも育った家に住んでいる方、近くですぐにいける場所にある方、遠くにあって1年に1回くらいしか帰れない方、もう10年以上帰っていない方・・・

実はこの実家が相続について大きな問題になるケースが増えてきています。

1. 実家の相続が問題になりそうな事例

実家の相続が問題になりやすい背景には、家族構成の変化やライフスタイルの多様化があります。

例えば・・・

家を相続しても住む予定がない

相続人の子供たちが自分の家を所有しているため、相続後の実家が空き家になってしまう。

相続人が複数いる

兄弟姉妹がそれぞれ離れて暮らしており、皆で集まる機会も少なくて帰省もほとんどないため、実家をどうするか話し合った事がない。

施設入居して空き家になっている

親が施設に入ることになり実家が空き家へ。その後、親が認知症になり、売却や相続の手続きがスムーズにできなくなる。

上記の事をそのままにしておくと大変な問題になる可能性があります。

・相続が発生したが、実家に住む相続人がいないことで小規模宅地の特例などが使えず、相続税の負担が大きくなる。

・相続後に空き家になり、老朽化による倒壊リスクや草木の事で近隣にご迷惑をおかけしてしまう。

・兄弟姉妹の間での意識のズレが争いになってしまう。「思い出があるから残したい」「税金の負担があるから売却したい」

・施設の費用などを捻出するために実家を売却しようと思っても認知症で売却できない。

・手放したくないが管理や税金の負担をどうするか?老朽化しているからと解体すると固定資産税の負担が重くなる。

これらの問題を回避・軽減するためには、早い段階から対策を検討することが大切です。

2、問題を回避するためにやるべきこと

■親が元気なうちに話し合う

  親が実家にいる間に、「将来的に誰が継ぐのか」「どのように活用するのか」を家族で共有しておくことが重要です。

  意志確認や希望を聞くだけでも大きなトラブルを防ぐことができます。

■相続税などの税金を見据えた対策

  生前贈与や遺言書作成、2世帯住宅化など、税負担を軽減するための選択肢を検討しましょう。

  また、実家の管理費(修繕費や固定資産税など)についても事前に把握しておくことをお勧めします。

■不動産の有効活用や売却の検討

  誰も住まなくなる事がわかっている実家を活用する方法の検討をする。

  リフォームして賃貸にする、売却するなどの選択肢を専門家に相談する。

■認知症対策をしておく

  親が高齢者で判断能力が低下するリスクに備え、家族信託や任意後見制度の利用を検討する。

対策については、家族だけで話し合いもできると思いますが、相続の専門家と一緒に考える事で問題の整理がスムーズに進みます。

まとめ

実家にはたくさんの思い出がつまっています。

そんな実家が重荷になったり争いの原因になることは、家族の皆さんが望むことではないと思います。

 核家族化が進み、従来の「実家に継続して住む」という選択肢が取りづらくなっている状況だからこそ、しっかりとした対策と準備を進めていきましょう。

今後も、より良い相続対策や家族の間の円満な関係のために、最新の情報を共有していきたいと思います。

 家族みんなが安心して暮らせるよう、早めの行動がトラブルを防ぐ鍵になるはずです。

この記事を書いた人

村上 寛紀

村上 寛紀

1997年4月にスターツ株式会社に入社。
約10年間資産家の土地有効活用事業提案営業に従事。
その後、愛知県に異動し豊田市にて土地活用事業の立上げ業務を行う。2023年株式会社Prop-upを設立、代表取締役に就任。不動産相続コンサルタントとして、不動産を保有する方の相続対策のサポートを手掛けている。